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2026-09-30

岐阜視察研修に行っていきました

岐阜のまちから学んだ、「地域と未来をつなぐ」ということ

報告者:杉本(児童発達支援管理責任者/ICT担当)

岐阜県(9月12日)を訪れ、福祉や地域づくり、子どもの居場所、伝統文化など、それぞれの分野で地域と人をつなぐ活動に取り組む4つの団体を視察しました。

今回訪問したのは、

  • 社会福祉法人いぶき福祉会
  • ひだまり創
  • ヒトノネ
  • ORIGAN

です。

一見すると、それぞれ取り組んでいることは異なります。

しかし、4か所を訪ねていく中で見えてきたのは、

「人が地域の中で役割を持ち、誰かとつながりながら、新しい価値を生み出していく」という共通した姿でした。

今回の視察で感じたことを、それぞれの団体での学びとともに紹介します。


01|社会福祉法人いぶき福祉会

「ケアを文化に」―地域の中で暮らす一人として

いぶき福祉会では、障害のある人たちの地域での暮らしや仕事づくりについてお話を伺いました。

特に印象に残ったのは、福祉を「サービスを提供する場所」として完結させるのではなく、地域の中に仕事や活動、人との出会いをつくっていることです。

障害のある人を「支援される人」としてだけ捉えるのではなく、地域で暮らす一人の住民として捉える。

仕事をしたり、地域の人と出会ったり、活動に参加したりする中で、それぞれの役割や関係が生まれていく。

「ケアを文化に」という考え方の背景には、こうした地域との関係づくりがあるのだと感じました。

また、法人運営についても、一人のリーダーに依存するのではなく、複数の人が責任を分担しながら組織を支える仕組みについて学びました。

ファンドレイジングについて

U-mitteからは、医療型福祉施設の開設に向けた資金集めについても質問しました。

そこで伺ったのは、寄付を「お願いする」だけではなく、活動そのものに興味を持ってもらい、さまざまな形で関わってもらうことの大切さでした。

情報を広める、イベントに参加する、商品を購入する。

お金だけではない関わり方をつくり、

「お金が必要なので協力してください」ではなく、

「こんな楽しいことが起きています。一緒に参加してみませんか」

と伝えていく。

そして、施設を建てることをゴールにするのではなく、10年後を見据えて「建物を建てた後に、どのようなコミュニティを残したいのか」を考える。

この視点は、これからのU-mitteを考える上でも大きな学びとなりました。


02|ひだまり創

「生きるを支える」から「生きるをつくる」へ

ひだまり創では、高齢者福祉を中心とした活動についてお話を伺いました。

印象的だったのが、

「生きるを支える」から「生きるをつくる」へ。

という考え方です。

これまで社会の中でさまざまな役割を担ってきた人が、高齢になった後も「誰かの役に立つ」「自分の得意なことを生かす」といった役割を持てるようにする。

そのための取り組みの一つが、ものづくりと地域とのマッチングです。

岐阜のアパレル企業から出る残布を活用したスラッシュキルトや、利用者の描いた絵を商品として届ける取り組みなど、本人の経験や得意なことを生かしながら、地域の企業や商品とつなげていました。

また、「つねる」という行動がある人に対して、「やめてもらう」のではなく、「つねってよいもの」を用意するという発想も印象に残りました。

本人の行動を否定するのではなく、その行動の意味や背景を考え、できる形に変えていく。

福祉の中だけで完結するのではなく、地域にある「人・物・場」とつながることで、新しい役割が生まれていました。


03|ヒトノネ

 

「体験」を通して、地域の大人と出会う

ヒトノネでは、子どもたちの居場所づくりや地域とのつながりについて学びました。

大切にしているのは、**「体験」**です。

鷹匠を招いて鷹に触れたり、伝統和菓子の職人と一緒にものづくりをしたり、パソコンを使った音楽制作など、学校だけではなかなか出会えない人や仕事、文化に触れる機会をつくっています。

そこには、

「地域を知る」
「仕事を知る」
「いろいろな大人に出会う」
「面白そうな大人に出会う」

という意味があります。

また、フードパーティーなどでは、子どもたち自身がボランティアとして関わることもあります。

「利用する側」と「支える側」を明確に分けるのではなく、その時に自分ができることを担う。

そんな関係性の中から、年上の子どもや地域の大人とのつながりが生まれ、それが子どもたちの将来のイメージや自己理解にもつながっていました。

「寄付」から「共働」へ

ヒトノネでは、企業からの寄付を単なる資金提供で終わらせず、子どもの就業体験や企業の仕事を知る機会、講演やワークショップなどへと広げています。

寄付をいただくことも大切ですが、その先にある、

「一緒に活動する関係」

を大切にしていることが印象的でした。

地域の企業や団体を「支援してくれる人」ではなく、「一緒に地域をつくる仲間」として捉えているのです。


04|ORIGAN

「売りながら守る」―地域の価値を次の世代へ

ORIGANでは、観光まちづくりを軸に、長良川流域にある文化や産業を未来につなぐ取り組みについて学びました。

長良川流域には、和傘、紙漉き、漁業、芸能など、さまざまな文化や技術があります。

しかし、その背景には、担い手不足だけではなく、材料をつくる人がいない、道具をつくる人がいないなど、目に見えにくい課題もあります。

ORIGANでは、こうした地域の文化を調査し、現状を可視化することで、何が起きているのかを地域や行政に伝えています。

そして、もう一つ印象的だったのが、

「売りながら守る」

という考え方です。

長良川デパートでは、長良川流域の職人がつくった商品を販売し、その背景やつくり手の思いも含めて伝えています。

伝統を「保存する」だけではなく、商品として価値を伝え、実際に買ってもらう。

その収入が材料や仕事、そして次の担い手につながっていく。

「価値を知ってもらうこと」と「続けられる仕組みをつくること」は、切り離せないのだと感じました。


05|4つの団体に共通していたこと

「人・地域・仕事・文化」をつなぐ

4つの団体を訪問して、取り組んでいる分野は違っていても、共通していることがありました。

それは、「人と地域との関係をつくること」です。

福祉の中だけで支援を完結させない。

子どもを「支援される側」だけにしない。

高齢者を「サービスを受ける人」だけにしない。

伝統文化を「保存するもの」だけにしない。

それぞれが地域の中に出ていき、地域にある人・物・場所・仕事とつながることで、新しい役割や価値を生み出していました。

そして、その関係を一時的なものにせず、次の人へ、次の世代へつないでいく仕組みをつくっていました。


06|視察を終えて

「建てる」その先に、どんな地域をつくるのか

今回の視察を通して、私自身が改めて考えさせられたのは、U-mitteがこれから進めていく医療型福祉施設についてです。

もちろん、必要な施設をつくることは大きな目標です。

でも、本当に大切なのは、その先なのかもしれません。

施設ができた後、どんな人たちとつながっていたいのか。

地域の人がU-mitteを知り、関わり、それぞれの方法で応援できる関係をどうつくっていくのか。

そして、重症児者と地域との間に、どんな新しい出会いや役割を生み出せるのか。

岐阜で出会った取り組みから、

「地域にある価値を見つける」
→「可視化する」
→「伝える」
→「人が関わる」
→「続いていく仕組みにする」

という循環を学びました。


07|最後に

 

今回の岐阜視察では、福祉だけではなく、地域づくり、子どもの居場所、仕事、伝統文化、観光、ファンドレイジングなど、さまざまな視点から地域と人との関係について考えることができました。

そして、研修の合間には、ぎふ長良川の鵜飼も見学しました。

船の上から間近に見る鵜匠の技。

手縄(たなわ)を巧みに操る姿。

そして、篝火のにおい。

実際にその場に身を置くことで、長く受け継がれてきた文化を「知識」ではなく「体験」として感じることができました。

伝統も、福祉も、地域づくりも、きっと同じなのだと思います。

知る。
出会う。
関わる。
そして、次の人へつないでいく。

今回、岐阜でいただいたたくさんの学びを、U-mitteのこれからの活動につなげていきたいと思います。

重症児者の輝く笑顔で、地域と未来をつなぐ。

そのために、私たちにできることを、これからも一つずつ。

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